1時間に約700件。
鳴り止まないSOSに
応答し、
混乱する
病院を救ったAI電話。

PROJECT MEMBER

  • 鷲塚英子 EIKO WASHIZUKA
    WASHIZUKA EIKO
    ホスピタリティー推進室所属
    課長補佐

    2000年入職。とあるIT企業が開発していたAI電話の機能に感動し、導入を促すために各課と連携を進める。

  • 天川麻美子 MAMIKO TENKAWA
    TENKAWA
    MAMIKO
    デジタルコミュニケーション室
    所属 副主任

    2021年入職。患者様から受けた過去の通話内容を分析し、AI電話へ落とし込むため各課との連携を担う。

  • 本多和花 NODOKA HONDA
    HONDA NODOKA
    ホスピタリティー推進室所属
    副主任

    2007年入職。混雑する電話をいち早く解決するために、LINEやWEB窓口を設置するなど様々な施策を投じる。

困難を乗り越えるための対応策

「もう他の病院で診てもらう。」
断らない
医療
体制の危機!

年間の外来患者数が50万人を超え、患者様からの予約受付や変更の電話応対がとうとう限界を迎えた。1時間に最大700件もの電話が院内に鳴り響く毎日。職員全員で対応しても3割以上の電話を取りこぼしていた。電話がつながらない不安から、足の不自由な患者様が直接窓口まで問い合わせに来るケースも発生。「もう他の病院で診てもらう。」そんな病院の体制に対して呆れた声も続出した。“断らない医療”を掲げる病院として、あってはならない事態だった。

~解決までの苦悩~ WEB窓口を開設するも患者の情報を正確に拾えない。
解決までの苦悩

WEB窓口を開設するも
患者の情報
正確に拾えない。

対応策として、LINEやWEBサイトなどスマホで完結できる仕組みを導入したが、なかなか浸透しなかった。「テキスト情報では、患者さんも細かい状況を病院へ伝えにくい。患者さんの安心感を保てるのは人が直接受け答えする電話だった。」と本多は振り返る。それに加え、診療科が40科目以上もある総合病院。それぞれ応対ルールも異なるため、人で対応する以外に手段がなかった。そんな時に出会ったのが、医療系のソフトウェア開発を行うDr.JOY株式会社だった。

導き出した解決策

医療系IT企業との
共同開発。
AIによる
電話応対
システム。

「えっ、人が喋ってるの?」鷲塚は、 Dr.JOYが開発していたAI電話の音声サンプルを聴いて驚いた。まるで、本当に会話しているかのような感覚だった。自動音声の指示に従ってボタンを押す必要がない。一刻も早く患者様のSOSに応えるべく、共同開発を決意した。天川を中心に、約20名の職員が各診療科ごとに電話での会話記録や医療用語をピックアップ。AI電話のシステムに取り込んだ。さらに、高齢者の発話方法も分析し、AIが声を正確に拾えるように何度も調整した。開発の開始から現場に導入するまで、わずか4ヶ月だった。

~得られた成果~ AI電話の導入により、断らない医療の実現に成功。
得られた成果

AI電話の導入により、
断らない医療
実現に成功。

導入から2ヶ月。AI電話が受けた予約変更やキャンセル連絡は、各診療科に設置されたiPadにリアルタイムで映し出される。これにより、患者様からの問い合わせを目視で確認できるようになった。結果、電話回線の混雑が解消され、患者様からのあらゆる電話がつながるように。これまで電話対応に追われていた職員も余裕が生まれ、外来患者様の受付や相談に対して、より時間を割いて対応ができるようになった。AI電話の導入は、“断らない医療”を実践するための、大きなイノベーションになった。

VOICE

関わった職員の声

北畑 麻衣子
病院事務 電話交換室

時間と心に余裕を持って、
情報の伝達が
できるようなりました。

AI電話の導入前は、午前中の電話が特に多く、患者様の要望を聞くので精一杯でした。ヒアリングした内容を担当者と連携するのが、午後になることもあったんです。導入後は、iPadで患者様の問い合わせ内容を一目で確認できるようになったので、伝達内容の優先順位をつけやすく、余裕を持って対応ができています。

鈴木 久美
病院事務 メディカルクラーク課

外来患者様からの
思わぬクレームに、
心を痛める
必要がなくなり感謝です。

窓口業務の時は目の前の患者様を優先しているため、鳴り続ける音や光り続ける電話機を見た外来患者様から「こうして電話を無視しているんですね。」と言われたことがあったんです。AI電話によって、そういった誤解を生むおそれがなくなったので、今では安心して外来の受付に集中できています。

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1時間に約700件。
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